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ステッピングモータ駆動Stepping motor Drive guide

ステッピングモータドライバICの動かし方について


ステッピングモータを駆動するためには、入力CLK信号や、駆動用パルス信号生成ロジック、モータを駆動するプリドライバ、ゲートドライバ、Hブリッジ出力など、さまざまな回路を用意する必要がありますが、ステッピングモータドライバICを用いると、それらはすべて内蔵されているため、簡単にステッピングモータを駆動することができます。本ページでは、市販のステッピングモータドライバIC、BD63725BEFVを題材に、ステッピングモータドライバICの使い方や、特徴について簡単にまとめてみたいと思います。














































ステッピングモータドライバICのインターフェース



Fig.1  今回用いるステッピングモータドライバICのブロック図
引用: https://www.rohm.co.jp/datasheet/BD63725BEFV/bd63725befv-j


Fig.1にステッピングモータドライバICのブロック図を示します。何を題材にしようかと考えていましたが、少し前に、日経新聞やインターネットの技術系ニュースで、ステッピングモータアプリケーションに対して、モータの評価が簡単に出来るツールが紹介されていたため、そこで使用されていたステッピングモータドライバ、BD63725BEFVを題材にしてみたいと思います。



このICを動かすには、どうすればよいか?それぞれの詳細を
以下のパートに分けて考えます。

1、外付け部品準備、説明
・・・ハード面の設定
2、各種設定
・・・駆動の設定
3、モータ動作、制御
・・・実際のモータの回し方












1、外付け部品準備、説明
ICの仕様書に従って、外付け部品をつけます。上記のブロック図の例では、

●CR端子対GNDに、キャパシターと抵抗を接続。
⇒ICのスイッチング周波数や、PWMのオフ時間を設定する端子です。CとRの値により、周波数を変更できるようです。詳しくは、データシートを確認ください。RとCの選定方法は、データシートにかかれていますが、取り急ぎは、仕様書に書かれている推奨値で問題ないと考えます。



●TEST端子をGNDに接続。
⇒テストモード解除の設定のようです。



●RNF1、RNF2端子対GNDに抵抗を接続。
⇒定電流制御用、出力電流検出抵抗です。モータのHブリッジに流れる電流を低抵抗で検出し、電圧に変換します。これにより、モータに流れる電流を擬似的に検出できます。ステッピングモータでは、定電流制御を行うことが多いため、この抵抗は、非常に重要です。精度のよい抵抗を選定したいところです。



●VCC1、2とGND間に推奨の電解コンデンサやセラミックコンデンサを接続。
⇒電源を供給する端子です。モータドライバの出力段は、ある程度高い周波数でスイッチングするため、電源端子を安定化させるためにコンデンサをつける必要があります。これは、一般のICと同様です。



●OUT1A、OUT1B、OUT2A、OUT2Bにモータを接続します。
⇒モータに電流を供給します。







以上、外付け部品の役割や意味を簡単に解説しましたが、より詳細な内容は、各ICのデータシートを確認ください。












































2、各種設定


Fig.2  今回用いるステッピングモータドライバICのブロック図


ステッピングモータを駆動するために必要な設定を入力します。
上記のブロック図の場合、設定端子は、次のCW_CCW、MODE0、MOD1、VREF、MTHです。

ただし、H=2V以上、Lは、0.8V以下とします。
この値は通常、ICにより異なります。




1、CW_CCW:回転したい方向を設定。
⇒モータの回転方向を設定するので、回転させたい方向になるようH or Lを入力。
BD63725BEFVの場合は、Lで、Clockwise、HでCounter Clockwiseのようです。
詳しくは、データシートを確認ください。



2、MODE0、MODE1:駆動したいステップを設定。
⇒フルステップ、ハーフステップ、マイクロステップなど、駆動したいステップになるようH or Lを入力します。

BD63725BEFVの場合は、MODE0、1端子により、
・FULL STEP・・・フルステップ
・HALF STEPA・・・1/2ステップA
・HALF STEPB・・・1/2ステップB
・QUARTER STEP・・・1/4ステップ

が選定できるようです。詳しくは、データシートを確認ください。



3、VREF:駆動したい電流値を設定。
⇒VREF端子の電圧により、モータ出力に流したい電流値を設定できます。
簡単に設定したい場合は、抵抗分割で電圧値を決定し、入力します。
(何V入力し、何A流れるかは、ICにより異なります。)



4、MTH:Mixed Decay電流減衰率設定。
⇒MTH端子は、簡単に言うと、出力電流の波形整形が行える端子です。詳細は、別途説明しますが、この端子の電圧値を変えることにより、出力電流波形の形が変わります。イメージ的には、駆動時の波形ゆがみを綺麗なSin波や、各駆動波形になるように調整できます。詳しくは、データシートを確認ください。







3、ステッピングモータの動作、制御、コントロール



Fig.3  今回用いるステッピングモータドライバICのブロック図



上記1、2により、基本動作をさせる準備が出来てきました。それでは、実際にモータをまわす手順を考えます。実際にステッピングモータをコントロールする端子は、CLK、ENABLE、PSです。これらを使って、実際にモータを回します。



●CLK端子:入力CLK端子です。ここに入力するパルスに応じて、ステッピングモータが回転します。立ち上がりエッジで動作し、1CLK毎に電気角が1つ進みます。どのように回転するかについて、基本的には、MODE0、MODE1端子の設定通りです。



●ENABLE端子:この端子をH or Lすることにより、モータを回転させるか、止めるかがコントロールできます。



●PS端子:PS端子を使って、このICをスタンバイ状態にするか?アクティブにするかが設定できます。








以上の設定で、ステッピングモータを駆動することができます。

この手順をもう一度振り返ると、仕様書に書かれているアプリケーション回路図の通り、外付け部品を接続し、どのように動かしたいかを設定。その後、CLKを入力し、ENABLE端子を制御すれば、ステッピングモータを回すことができます。


以上が、ステッピングモータドライバICの設定と駆動方法です。複雑な制御もICがすべてやってくれるので、本当に便利です。ステッピングモータ用のドライバICは、いろいろなメーカーから販売されているため、いろいろな会社の製品を一度調べてみては、いかがでしょうか?





















このページの注意

このページは、趣味で作っているページですので、内容に関する特許や商標など、詳しく調査できておりません。もちろんそういった権利を侵害するつもりはないため、連絡いただけると削除させていただきます。










































































































































































































































































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