ステッピングモータは入力するパルス信号に応じてカクカクと回転するモータです。そのため制御方式により、回転するステップをコントロールすることができます。しかもブラシレスモータやDCモータなどと違い、フィードバックシステムが不要なオープンループ制御なので、簡単に位置制御がしたい場合などには非常に便利です。ここではそのステップのコントロールについて簡単にまとめてみたいと思います。
●マイクロステップ時の波形
(c) マイクロステップ時の波形
マイクロステップは、ハーフステップより、更に滑らかに駆動できる駆動方式です。通常、1/4ステップはquarter stepなどと呼ばれることも多いです。これより細かいステップでは、1/8ステップ、1/16ステップ、1/32ステップ、1/64ステップ、1/128ステップ、1/256ステップなど電流を制御し、DACのビットを大きくすれば実現できます。定電流制御の場合、モータ電流を検出抵抗など使って電圧を検出し、カレントリミット電圧を制御することにより実現できます。滑らかな回転特性を得るには最高の駆動回路です。DAC電圧など、入力するカレントリミット値を細かくすればより滑らかな電流波形になります。もちろんビット数が多いほど滑らかな駆動ができますが、その分コストも高いです。でも滑らかさを追求したり、低振動・ステップの細かい位置制御等には最高です。
ステッピングモータドライバICを使う場合の制御方式は、位相切り替わり信号とDAC信号を直接入力する方式と、ICなどLSI内部にデコーダーやトランスレータを内蔵しており、ステップを設定しクロックのみで制御するクロックイン制御があります。簡単お手軽にステッピングモータを駆動したい場合、ステップ角設定とクロック信号だけで制御できるCLK-IN方式が楽です。ただし、クロックインタイプの場合、自身の位置が分かりにくいことや、クロックにノイズが入った場合、ステップ角が進んでしまう可能性もあり、簡単な反面、デメリットもあります。ただし、ポート数はかなり激減できるため、お手軽ステッピング駆動としてはメリットです。これに対し、位相切り替わり信号やDAC信号を入力するタイプの場合、ポート数もハーフステップで4本程度、quarterステップの場合6本程度必要ですが、ノイズの問題や、細かな制御を行なうことができます。また、制御本数を減らすために、各制御を3線のシリアル制御やI2Cbusなどで設定し制御する方式のICもあるようです。以上より、ステッピングモータドライバICを使う場合は、その仕様に応じて使い分けるのがよいのではないでしょうか?
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